足尾山塊 丸山(1344m) 2016年11月5日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 6:43 駐車場所−−6:47 ゲート−−7:03 平川隧道−−7:34 十二山ノ神−−7:46 三重泉橋−−7:54 三重泉隧道−−8:06 林道を離れる−−8:08 泙川を渡渉 8:16−−9:25 丸山(休憩) 10:26−−10:56 泙川を渡渉 11:04−−11:09 林道−−11:13 三重泉隧道−−11:21 三重泉橋−−11:34 十二山ノ神−−12:06 平川隧道−−12:21 ゲート−−12:26 駐車場所

場所群馬県沼田市(旧利根村)
年月日2016年11月5日 日帰り
天候
山行種類藪山
交通手段マイカー
駐車場林道路側に駐車余地あり
登山道の有無無し
籔の有無ほぼ無し
危険個所の有無丸山北西尾根は全体的に急傾斜で転落注意
山頂の展望無し
GPSトラックログ
(GPX形式)
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コメント泙川右岸の林道を歩いて泙川を渡渉し丸山北西尾根経由で山頂へ。林道は平川隧道より先は廃道状態だが歩く分には問題なし。泙川は流れは穏やかで水量はそれほど多くはなく、飛び石の配置がいい場所を探せば登山靴のまま渡渉できそうだったが、探すのが面倒で長靴で川を渡った。北西尾根は藪となる植生はほぼ無く快適に歩けるが、傾斜が急な場所があり下りは要注意。山頂標識は無かった




ゲートより200mくらい手前で駐車 この車止めが理由
工事の休憩所 上流に砂防ダムが新設される?
噂の二重ゲート 平川隧道手前まで舗装工事中
平川隧道を抜けると廃林道状態 比較的大きな斜面の崩れ
この落石は2番目に大きい キロポスト
林道左側に鉄製の赤い鳥居が登場 「十二山神」と彫られている
山の神の近くに放置された自転車 林道から見た丸山(帰りに撮影)
一番でかい落石 名前のないトンネル
一番大きな土砂押し出しでもこの程度 三重泉沢にかかる三重泉橋
三重泉橋(漢字表記) 読み方は「さんじゅうぜんはし」
三重泉橋より先は三重林道と名前が変わる 地形図に記載が無い「三重泉隧道」
三重泉隧道出口から見た丸山 ここから川原に下った
斜面には獣道あり 長靴を準備。これで水没しない深さと流れの強ささだあ
泙川の浅い部分を渡渉 丸山北西尾根末端。岩混じりの急斜面
尾根の西側に回り込む 対岸の下ってきた尾根
ここから尾根に取り付く。何となく道形あり ジグザグに道形が残る
岩混じりの急斜面に変わると道形消失 道形消失点には人工物あり
どこも急斜面 ワイヤーがいくつも残っている
標高1020m付近。急斜面の真っただ中 標高1050m付近。傾斜が緩んで石楠花登場(迂回可能)
標高1200m付近 標高1270m付近
丸山山頂 たぶん「フジオカT.K氏」のもの
山頂標識の残がい。「掃除」されたのかも 丸山から見た峰山
丸山から見た笠ヶ岳 急な下りが多く帰りは難しい
面倒なので帰りはGPSのお世話に 河原到着
壊れた蛇籠が目印 林道へと登る
往路と同じ場所に上がる 帰りの林道歩き
平川隧道を出たらコールタールが散布されていた ゲート到着。土曜日でも作業中(昼休み中)
ゲートは開いていた 駐車余地到着


 足尾山塊は栃木及び群馬の枝尾根末端の山も含めてほぼ全て登っているが、唯一の未踏が群馬側の泙川沿いの丸山だ。皇海山から西に派生する尾根上にあるが、いかんせん場所が悪い。平地からかなりの奥地にあるが近くに林道があるので(ただしゲートあり)アプローチはそれほど不便ではないが、尾根に取り付くためには泙川を渡る必要がある。それに林道から河原に安全に下れるルートがあるのかも心配な点。このために長年その存在を気にしながらも足を向けることはなかった。

 しかし昨年、DJF氏が林道から泙川を渡ってサクっと登ってしまい、今年に入って烏ヶ森さんも同じようなルートで登って(下って)いる。それらの記事により渡渉は難しくないことが判明し、涼しくなってから実行しようと考えていた。長靴を使う予定なので、水が冷たい時期でも問題ないのだが。

 週末は冬型の気圧配置で日本海側は悪天が予想されたが、まだ冬型は強くないので足尾山塊なら大丈夫だろうと判断、菅平〜鳥居峠経由で沼田に入り、椎坂峠を越えようと思ったら立派なトンネルが出来上がっていた。これからは冬場も安心して片品に入れるようになった。

 カーナビに導かれて泙川沿いの林道へ。ゲートがあることは分かっているのでそこまで入る予定だったが、その手前で手でどかせる車止めが登場。ここまで通行止めの案内は無かったのだが。手でどかして入ってみたが、すぐ先で路上の真中に工事車両が駐車されていて進むことはできない。車止めから後退し、駐車余地で仮眠した。この様子だと道路工事中らしいが、土曜日の明日も工事をやるのであろうか。工事中は人間も通してくれない可能性があり、少なくとも行きは工事開始前に通過してしまいたい。

 しかし翌朝は30分の寝坊で、6時に出発予定が6時半過ぎになってしまった。心配していた通りに工事車両が2台上がっていってしまった。さあ、通してくれるだろうか。あわてて支度して出発したら、腕時計兼高度計を車に置いてきてしまった。

 この後も工事車両の出入りがあるようで車止めは道路横に移動されている。カーブにはプレハブ小屋があり「H27平川第三砂防堰堤工事用道路工事 一時避難場所」と書かれていた。どの辺りに砂防ダムを新設するのか不明だが、そこまでは林道を再整備するらしい。ゲートが奥に移るといいのだがそんなことはないかなぁ。そのゲート前に先ほど入っていった工事車両がエンジンをかけたまま止まっていた。座席に人はいない。どうやら下請業者らしくゲートの鍵を持っていないようだ。工事の現場監督だったら工事現場の通過はダメと言われるかもしれないが、下請業者なら大丈夫かもしれない。そのまま進むと2人の男性が歩いて戻ってきた。工事現場を歩いて通行してもいいかと尋ねるとOKとのこと。どこへ行くのか聞かれて丸山と答えたが、地元の人でも知らないようだった。気を付けて行ってくるようにと声をかけられた。帰りは工事のお昼休みの時間帯を狙って下ってくるか。

 林道は舗装工事が行われるようで、路面は10cmくらい掘られ低くなって平らに固められていたので歩きやすい。この状態は最初のトンネルである平川隧道まで続いていた。トンネルを抜けるとそこは雪国ではなく落ち葉に飾られた廃林道だった。ただし、道の状態は良好で、落石や谷筋からの土砂の押し出しはあるが、路面が崩落した個所は無いので安全に歩ける。ちょっと補修すれば車の通行が可能になるだろう。

 林道途中の左側に小さな赤い鳥居が登場、石碑には「十二山神」と書かれていた。これからの登山の無事を祈念する。近くには放置された自転車あり。チェーンが外れてクランク軸に噛んでいたので、これが原因だろうか。放置されて数年は経過していそうだった。

 地形図には記載されていない短いトンネルを抜けると三重泉沢の橋を渡る。銘板の一つには「さんじゅうぜんはし」と書かれていた。橋を渡ると三重林道の名前が。ここで林道の名称が切り替わるらしいが、路面状況は廃林道ながら相変わらず良好だ。

 地形図に記載された2番目のトンネルは三重泉トンネルと書かれていた。ここを抜けると丸山への取付予定点は近い。泙川に下れるポイントを探しながら進むと右へ緩やかなカーブを描く地点が一番下りやすそうな傾斜であった。護岸が崩れた隙間から斜面に降りると獣道が登場、動物も同じ判断らしかった。最後は護岸の蛇籠を下って難なく河原へ到着。

 泙川の水量はそれほど多くはなく場所を選べば飛び石で渡れそうだったが、残念ながらこの近くではいい飛び石は見当たらず、このためだけに持ってきた長靴の出番だ。浅い場所は脛くらいで流れもそれほど強くないため、今回の長靴なら浸水しないだろうと靴下は脱がずにジャブジャブと渡る。中に水が入ることなく対岸に到着。長靴はここでデポする。

 泙川から見上げる丸山北西尾根末端は岩壁帯になっていて登ることはできない。上流方向も同様であり、DJF氏の記録に従い下流側、つまり尾根西側へと回り込むと薄い道形らしき筋を発見した。この先は再び岩壁帯になってしまい、容易に尾根に取り付けそうなポイントはここしかなかった。

 道形と言ってもごく薄く、注意していないと見失ってしまう程度だ。逆に言えばどこでも歩ける植生なので、道形を気にせずに歩きやすいところを歩けばいいだろう。2日前の馬羅尾山の石楠花地獄とは対照的だった。適当に歩きやすいところをジグザグを切って登ると、全く道がない場所と道形がある場所では歩きやすさに違いがあるのですぐに分かる。その道形は尾根の傾斜が急になり岩が混じる場所で消失してしまう。この上には針金、ワイヤー、錆びたボルトなどがあって人の活動があったのは間違いないが、尾根直上に道があったかどうかは不明だ。足場のいい場所を選んで登っていく。背の高い落葉広葉樹林が広がるが密集していないので木を掴める場所は少ない。急斜面だけは藪でもいいのだが。

 傾斜が緩むと石楠花が登場するが、わざわざその中を通過しなくても右側から巻くことができる。もう1箇所で石楠花が出てくるが、そこも迂回可能だった。もっとも、馬羅尾山の石楠花藪と違って木の高さも密度も低いので突っ込んでも大した障害にはならないだろう。なぜこの標高で森林原価のようなこんな背の低い石楠花なのか不明だ。

 尾根は急になったりちょっと傾斜が緩んだりを繰り返すが、基本的にはあまり明瞭な尾根ではなく、登りはいいが下りはちょっと苦労しそうだ。たまに振り返って下りの景色を目に焼き付けながら登っていく。ずっと樹林が続くので展望はよくないが、隙間から峰山や笠ヶ岳を見ることができた。笠ヶ岳は登りでは谷筋に雪が残っていたが、日当たりのいい南斜面なので帰りの時には雪の白さは無くなっていた。

 傾斜が緩むと広い山頂部に到着。ここは群馬の山なので通常ならGさん標識があるはずだが見当たらない。Gさんが未踏なのではなく「掃除」されてしまったのだろう。代わりに「フジオカT.K」さんのものと思われる特徴ある材質のリボンが残っていた。これを見るのも久しぶり。今のところ長野県内では見たことが無かったと思うが、もしかしたら西上州との境目付近ならあるかもしれない。木の幹に木ねじと緑色の樹脂片が残っていたが、これも山頂標識の痕跡だろう。この標高だとシラビソではなく落葉樹に覆われて、落葉した枝を通して周囲が見えないわけではないがすっきりはしない。でも落葉した時期は日当たりはいいのでのんびりと休憩できた。

 帰りは地形を読むのが面倒なのでGPSのお世話になった。ただしGPSも誤差はあるので尾根を1本間違えそうになった個所もあった。それくらい尾根を見定めるのは難しい。ちなみに北西尾根では目印の存在には気付かなかった。

 泙川に下りて再び長靴を履いて川を渡り、登山靴に履き替えて廃林道へと斜面を上がる。往路では日当たりが悪い時間帯で気付かなかったが、太陽が当たると林道沿いは紅葉のピークであった。長野県内の紅葉はイマイチだったがこちらは鮮やか。2日前は紅葉ではなく石楠花や笹の緑ばかりだったからなぁ。

 工事現場にかかる頃にはちょうど正午を過ぎた頃で、土曜半ドンではなくても昼休みの時間のはず。平川トンネルを抜けると路面にはコールタールと思われる黒い液体が散布されていた。ここを歩くと登山靴の底がえらいことになりそうなので路側のコンクリート上を歩いた。幸い、このコンクリートは橋を除いてずっと続いていて、橋の上にはコールタールは撒かれていなかった。ゲート周辺で工事車両が止まっていたが周囲に人の姿はなく、皆さん車の中でお休み中。予想通りの展開で迷惑をかけることなく工事現場を通過できた。朝方出会った2人の業者の姿はもうなかった。


 振り返る。丸山に手っ取り早く登るルートは事実上今回のルート以外にあり得ない。私が登った秋の時期なら思ったよりも水量は少なく、長靴で安全に渡れる。なお、参考にした2名は飛び石で渡れる場所を探し出しているので、手間を惜しまなければ長靴も不要だろう。ただし、雨の多い時期や降雨直後は水嵩が増していると予想されるので、止めておいた方が無難だろう。北西尾根は傾斜はきついが藪は無いといって差し支えなく、比較的容易に登ることができる。ただし下りは要注意。目印を残しながら登るのが安全だろう。

 

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